腸内細菌は遺伝する?腸内フローラバランスの改善方法もお伝えします!

健康法

ヒトは遺伝子によって、親から子に様々な特徴が引き継がれます。

これは腸内細菌も例外ではありません。

また、近年は腸内細菌の研究も進んでおり、病気や体質、性格までもが腸内細菌と関連していることが分かってきました。

では、遺伝によって腸内の構成(=腸内フローラのバランス)が決まってしまい、体質などを変えることはできないのでしょうか?

実は腸内フローラバランスは遺伝によって大きく決まってしまいますが、後から変えていくことも可能です。

そこで本記事では

「腸内細菌は本当に遺伝するの?」

「今からでも腸内フローラバランスは変えられるの?」

という質問にお答えし、その具体的な方法を解説します。

最初の腸内細菌は母親から受け継がれる

ヒトが生まれる前、つまり胎児の状態では腸内細菌はほとんど存在しません。

出産時、母親の産道を通る際に母親の腸内細菌が受け継がれると言われています。

ですので、この時の乳児の腸内細菌はブドウ球菌などの好気性菌や大腸菌などの通性嫌気性菌といった日和見菌や悪玉菌と言われる菌が多く存在します。

しかし、生後数日~2週間程度で善玉菌であるビフィズス菌の割合がもっとも多くなります。

その後、離乳食が始まると腸内フローラは大きく変化し、3歳ごろには成人と同じような腸内フローラに落ち着きます。

参考:牧野博ら 「新生児・乳児期の腸内細菌叢とその形成因子」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim/33/1/33_15/_pdf

出典:KOWA|どうして腸はたいせつなの?

免疫によって住み続けられる腸内細菌が変わる

腸内細菌はあくまでも細菌なので、ヒトの身体からは異物として扱われます。

しかし、腸内という大切な場所に、100兆個以上とも言われている細菌が住み続けられるのはなぜでしょうか。

それは、それぞれ個人が持っている免疫に細菌たちが最適化しているからです。

また、免疫はヒトによって違っているので、ひとりひとりの指紋が違うように腸内フローラもひとりひとり違っているのです。

免疫は遺伝する=腸内細菌も遺伝する

ここで重要なことは、腸内細菌自体は直接は遺伝しないということです。

しかし、免疫は親からある程度遺伝すると言われているので、間接的に腸内フローラも親から遺伝することになります。

腸内細菌は環境によって左右される

親から遺伝した免疫により腸内フローラはある程度決まりますが、環境によっても大きく変わります。

例えば、食環境や住んでいる環境、生活習慣によっても左右されます。

食環境

もっとも大きい要因は食環境でしょう。

腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌と3種類に分けられますが、それぞれ細菌の種類によってエサが異なります。

特に善玉菌は食物繊維や糖質などの炭水化物をエサにします。

一方、悪玉菌はたんぱく質や脂質をエサにします。

つまり、炭水化物メインの食事では善玉菌が増えやすく、たんぱく質や脂質メインの食事では悪玉菌が増えやすくなるのです。

住んでいる環境

住んでいる環境によっても腸内フローラは変わります。

例えば、「寒い地域か暑い地域か」「水は硬水か軟水か」などの要素は、どの腸内細菌が定着しやすいかにも関わります。

そして、これらの要因はヒト自身の自律神経にも関わり、これが腸内フローラバランスにも関わるのです。

また、住んでいる場所や地域で食文化も大きく異なります。この食文化の違いも腸内フローラバランスに大きく関係します。

生活習慣によっても変わる腸内フローラ

運動や睡眠、入浴などの生活習慣も影響します。

運動

腸の中に食べ物の残りかすがある時、腸は蠕動運動ぜんどううんどうを行うことでその内容物を肛門側に押し出します。

運動をすることは腸を物理的に動かすことにつながるので、蠕動運動の助けになります。

腸の蠕動運動を促すことは腸をキレイに保つことにもつながります。

睡眠

睡眠は自律神経に大きく関わります。

腸と脳は腸脳相関と言われるほど密に関係しているので、自律神経が乱れると下痢や便秘になることも。

下痢や便秘などで腸の状態が悪くなると、腸内環境も悪化します。

入浴

入浴習慣によっても腸内フローラは変わります。

入浴により物理的に腸を温めることは、腸内細菌を活発に働かせることができます。

また最近の研究では、「家族間で浴槽を共有していると、腸内フローラバランスも似ている。」ということも分かってきました。

実は腸内細菌は入浴の際に外に漏れだし、他のヒトの腸内に移り住むのです。

参考:森永乳業「腸内細菌はどこから来るのか?入浴習慣が家族間で腸内フローラの伝播に関与」

腸内フローラバランスを変えるには?

出産時に母親から貰う腸内細菌や親からの免疫遺伝以外にも、環境や生活習慣によっても腸内細菌が変わることが分かっていただけたかと思います。

ここでは腸内フローラバランスを自分自身で変える方法をお伝えします。

それぞれの腸内細菌に合った食事が大事

もっとも大切なのは食事です。

ご自身の腸内細菌に合っている食事をするのことが特に重要です。

特にご自身が生まれ育った国や地域で取れる食材が、あなたにマッチしていると言えるでしょう。

例えば、日本で生まれ育ったなら小麦よりも米ですし、肉よりも魚が合います。

他にも、日本人は乳製品を消化するのが苦手ですが、外国人が消化するのが苦手な海藻類は日本人の腸内細菌にとっては大好物です。

そして、自分に合った食材を選ぶ時にもっとも重要なのは、その食材を食べた時の身体の反応を見ることです。

筆者は長年、筋トレを行っていますが、その影響でたんぱく質の量にこだわった食事をしていました。

しかし、あるきっかけを頂き、たんぱく質の量を通常の食事程の量に減らしました。

そして、減らしたカロリー分はお米から摂るようにし、漬物や味噌などの発酵食品を毎日取り入れ、季節に合った旬の野菜を食べる等、食生活をがらりと変えました。

すると、落ちると思っていた筋肉はそのままに、肌荒れや便の調子がガラッと良くなったのです。

これは筆者の一例ですが、皆様もご自身の食生活を振り返り、ご自身の腸内細菌に合った食事に変えてみることをオススメします。

運動で腸を動かす

先にも書いた通り、運動をすることで腸の蠕動運動が活発になります。

「川の水が腐らないのは常に動いているから」と言うように、腸を腐らせたくなければ、とにかく動かすことです。

また、運動には腸を物理的に動かすだけでなく、自律神経を整えたり、血液中の一酸化窒素の量を増やしたりすることで、腸の筋肉を柔らかく保つのにも役立ちます。

特にウォーキングなどの有酸素運動がオススメです。

自律神経を整える

ヒトの内臓は自律神経によって調整されています。

自律神経は睡眠や運動習慣、ストレスなど様々なことに影響を受けることが分かっています。

当たり前のことですが、しっかりと睡眠時間を確保し、運動を習慣にすることが大切です。

また、睡眠の質を高めるために枕などの寝具にこだわったり、運動を習慣にするためにパーソナルジムに通うこともオススメです。

さらに、ストレスをため込まないためには適度な息抜きも必要です。

「腸内フローラバランスを整えるために、コレをやらないと!」などと意気込みすぎることもストレスにつながります。

無理に環境を変えたり、急に環境を変えることもストレスになり、自律神経を乱す原因になりかねません。

無理のない範囲で変えていくことをオススメします。

腸活サプリメント

最後に「腸内フローラバランスを整える」と言われている腸活サプリメントについてお伝えします。

結論としては、自分の腸内細菌に合ったものを選ぶことが大切です。

自分の腸内細菌に合っていない腸活サプリメントは、そのまま便として排泄されるだけでほとんど意味のないものになります。

そして、ご自身の身体に合うか合わないかを確認するには様々な腸活サプリメントを試してみることがよいでしょう。

因みに筆者はエビオス錠を摂っています!

薬ではないので「毎日○○粒飲まないと!」と意気込む必要はなく、その時の体調を見ながら摂るか摂らないかをご自身で判断しましょう。

まとめ

腸内細菌は親から遺伝するだけではなく、環境や生活習慣によっても十分に変えられることが分かっていただけたかと思います。

腸内フローラバランスは、その人の体質を決める大きな要因にもなるので積極的に整えていきたいですね。

食事はもちろん、運動や生活習慣のコントロールを無理のない範囲で続けていくことが腸内フローラバランスを整えるのに役立ちます。

時には腸活サプリメントなども活用しながら、腸内細菌から体質改善を行っていきましょう!

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